大飯原発、再稼働の判断先送り 政権、13

パキスタン北部ギルギット周辺で治安悪化のため足止めされていた日本人観光客77人は8日、パキスタン軍の輸送機で首都イスラマバード近郊の空軍基地に到着した. このうち約60人は同日夜の民間の定期便で首都を出発し、9日午後に成田空港に到着した. 現地の日本大使館によると、疲れた様子の人も見られたが、体調を大きく崩した人はいないという. 一部の人は、パキスタンにとどまって観光を続けている. 77人のうち64人はギルギットから北に約50キロ離れた観光地フンザにいた. フンザ滞在者は警察の警護を受けて陸路でギルギットの空港に着き、他の日本人と合流した. その後77人は輸送機に乗ってイスラマバードに近いラワルピンディにあるチャクララ空軍基地に移動した. ギルギット周辺では、イスラム教の宗派間の対立で治安が急速に悪化したため今月3日から外出禁止令が出されていた. 日本政府はパキスタン政府にイスラマバードまでの輸送機での移送を要請していた. (カブール=中野渉). 定期検査で停止中の関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)をめぐり、野田政権は12日、関係閣僚会合を開き、再稼働の妥当性について協議した. 結論が出れば週末にも福井県に再稼働を要請する方針だが、この日は判断を先送り. 13日にも再協議する. 会合では、関電が大飯原発にすでに実施していたり、計画していたりする安全対策が、6日の会合で決めた暫定的な安全基準を満たしているか改めて検討. 前回9日の会合で、安全性について「おおむね適合」と判断しており、この日は資源エネルギー庁がまとめた電力需給の見通しなども踏まえ、再稼働の必要性を示す方向だった. だが、終了後に会見した枝野幸男経済産業相は「大変重要なこともあり、さらに議論する必要がある」と指摘. 結論を持ち越した理由は「結論が出た段階で報告する」として明らかにしなかった. 安全基準をつくった経産省原子力安全・保安院や、資源エネルギー庁に新たな資料を求めることは否定した.